漢詩の唱和
『唐詩選』を読みながら、
漢詩の唱和に少し興味を持った。
けれど、相変わらず、
中国語もできないし、平仄もわからないので、
どうお互いの歌に合わせているのか、
がさっぱりわからない。
和韻を用いて唱和する漢詩というのもあるらしい。
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徐前「漱石と子規の漢詩作品への一考察 : 唱歌する二作品を中心に」
時間のある時に理解を深めたい。
「歌うこと数闋。美人之に和す。」とある。
しかし、
項羽の詠んだ垓下の歌と、
虞美人の返歌が、
どんな関係になっているのか、
がよくわからない。
内容だけが呼応しているのか。
音の兼ね合いも美しいのだろうか。
もちろん、
項羽は、紀元前の人だから、
彼や彼女の詩は、
唐より900年程前の古体詩。
垓下の歌は、七言絶句で、世・逝がshìで、何・何がhéで押韻。
虞美人の歌は、五言絶句で、声・生がshēngで押韻。
(垓下の歌)
力抜山兮気蓋世
時不利兮騅不逝
騅不逝兮可奈何
虞兮虞兮奈若何
(虞美人の歌)
漢兵己略地
四方楚歌声
大王意気尽
賤妾何聊生
唐詩選
清朝(1616-1912)中期に生まれた『唐詩三百首』から、
深澤一幸さんの解説や口語訳とともに、
51首を読む予定。
唐王朝は、618-907。
日本の飛鳥・奈良から平安中期ごろにあたる。
中国語の音もわからない私には、
近体詩のルールも難しい。
平声(ひょうしょう):低くて平らな調子
上声(じょうしょう):平声より高い調子
去声(きょしょう):低音から高音に上昇する調子
入声(にっしょう):短く詰まった語尾k/t/pなどを帯びる調子
上声・去声・入声は、仄声(そくしょう)。
平声には、上平声と下平声があり、
韻の種類は、106あるらしい。
51首、無事読めるだろうか。
平仄(ひょうそく)ほか、地名や人名、歴史、行政区、漢字の読みすら難しい。
読書疲れで、しばし休憩。
外は穏やかで、いい天気。
楚辞
『詩経』の次は、『楚辞』。
『楚辞』として伝わる後漢・王逸の『楚辞章句』は、
前漢末の劉向が編集した『楚辞』16巻に、
王逸自身の作品「九思」を加えて17巻としたもの。
『楚辞』17巻の中で、
最も古い歌謡は「離騒」「九歌」「天問」。
その中でも、
短編の集まりである「九歌」が、最も古いらしい。
角川文庫のソフィア文庫、ビギナーズ・クラシックスの中では、
神々を祀る「九歌」11篇のうち、
神を迎える最初の「東皇太一」と、神を見送る最後「礼魂」が紹介されていた。
また、魂の遍歴を語る長編の物語「離騒」についても、
最初の名乗りから、
天界への飛翔とそこでの遊行、
時間の経過、
そして最後の、さらなる天界への飛翔の突然の終焉まで、
少しずつ解説を交えながら紹介があった。
本を読む以外、神々の世界に触れることはほとんどないが、
読むと何かが溢れ出てくるようで、心がざわざわする。
時間や存在や思いやいろいろなこと、目に見えない森羅万象含め、すべてが、改めて不思議だ。