自然

バルザック

バルザック(1799-1850)を読んでいる。 「砂漠の情熱」を読みながら思い出したのは中島敦の「山月記」。 卑近で短絡的な繋ぎ方だとわかってはいるが、自然を征服する西洋と自然に抗えない東洋といった感じで、そんな感じとは違うものを探しつつ読み終える。…

カメラ・オブスクーラ

貝澤哉訳・ナボコフの『カメラ・オブスクーラ』をやっと読み終えた。ナボコフがロシア語で書いた初期(1932-33)の作品のようだ。 盲目ぶり・間抜けぶりを笑い物にされたまま死んでしまった主人公のありようには身につまされるものがあった。 「見る・見られ…

『土佐日記』に限らず、古典を読んでいると、鳥や植物、自然や生き死にがもっと近くにあるような気がする。 大人になっても自然をよく知らない自分を恥ずかしく思ったり、残念に思う。 鳥の声を、アプリ「鳥ナビ 初夏」で聴いてみる。普段使わない頭の部分が…

桜にそっと触れる。 とてもふわふわしてる。 力もある。 手を伸ばしてもう一度触れる。 ありがたい。 梅が咲き、桃が咲き、ねこやなぎが穂を出し、モクレンが咲き、菜の花や水仙も桜のそばで咲いている。 茶色や緑の枝や根から芽が出て、赤や桃、白、黄色の…

優劣

多くの職場で、できる/できないの優劣が話題になる。 今読んでいるのは、プルーストの『失われた時を求めて』6(鈴木道彦訳)p364あたり。ゲルマント夫人(オリヤーヌ)のサロン描写にも、似たようなものがある。ついで、昔読んだ井伏鱒二の『山椒魚』も思い…