角川

堤中納言物語

収録は短編10話: 「花桜折る中将」「このついで」「虫めづる姫君」「ほどほどの懸想」 「逢坂越えぬ権中納言」「貝合せ」「思はぬ方に泊まりする少将」 「花々のをんな子」「はい墨」「よしなしごと」 と断章。 虫好きの女の子の話と 綺麗な貝の競い合いの…

古事記

現代語訳と書き下し文と寸評を通して、『古事記』の一部を読んだ。 違う時代、世界、価値観があると知るのは、気晴らしになる。 日本語を漢字で表した太安万侶の苦労に感心する。 写本を読める人にも感心する。 ヤマトタケルノミコト(倭建命、『日本書紀』…

平家物語

斬首や首実検、 引き回しや自害などが連続して語られると、 滅入ってくる。 和歌や笛、弓の名手の話、 親子の愛や妻子への愛も 所々にあるが、 別の人生もあっただろうにと苦しくなる。 日本の広い範囲が戦場となり、人が亡くなった。 殺し合いの末に天下を…

『太平記』後半

相変わらずたくさんの人が出てきて、 いろいろなことが起こるので、 整理ができないまま、 なんとなく読了。 印象に残っていることは、 例えば、 巻21:高師直(こうのもろなお)が塩谷高貞(えんやたかさだ)の妻に宛てる恋文を兼好に代筆させた話と塩谷一…

太平記

全40巻あるうちの一部を読んでいる。 次は14巻目。 13巻では、 大塔宮(おおとうのみや)の非業の死、 高氏から尊氏への改名 などの話が出てきた。 大塔宮は、後醍醐天皇の息子で、 護良親王(もりよししんのう)。 たくさんの人が登場しては、 自害や斬首で…

十八史略

角川の初心者向け『十八史略』では、 聖王(黄帝、尭、舜、禹)、暴君(桀王、湯王、紂王、武王、幽王)、宋・斉(せい)・魯・田氏斉の興亡、始皇帝についての記述が紹介されていた。 李斯(りし)や韓非子、始皇帝の長男扶蘇(ふそ)。 李斯は篆書も上手、…

春秋左氏伝

歴史書、中でも政治史は、 争い事が絶えない。 殺したり、殺されたりが多い。 また、中国の記録には、 道家をはじめ、断固として権力に靡かない、餓死も辞さない人が登場する。 「春秋」は、記録の羅列。 紀元前722-481、 隠公から哀公まで12人の君主、 242…

謡曲・狂言

隅田川のお話が印象に残った。 亡くなった子供を実際に登場させず、声も出さず、地謡が代わりに謡う演出とそうでないものを比べて観てみたいとも思った。 末広かりも面白かった。 大きなお使いミスが、深刻にならないのが愉快。 現代なら、詐欺罪で裁判沙汰…

梁塵秘抄

後白河院(1127-1192)が、どうしてそんなに今様(平安時代後期に流行した歌謡)に耽溺したのか。 「梁塵秘抄」の一部を読んだだけではわからなかった。 ただ、カタツムリの歌やこま回しの歌、ちょっと可笑しみのある歌は楽しかった。 子供の頃、でんでん虫…

中庸

『中庸』も、『礼記』の一篇。 読み始めたところで、気になることを少しだけメモして、整理。 「慎独(独りを慎む)」は、修養方法の一つ。 自分自身と向き合い、自分を大切にし、自分の心に芽生えた悪を摘むことのよう。 中国思想では、心の動きを「情」と…

大学

『大学』は、『礼記』の一節。 以下は、 その体系である三綱領(止至善・明明徳・新民)と 八条目(格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下)。 目標に達するために大切な手順は「本末」といい、 まず始めにすべき本質的な事である「本」が「明明…

貞観政要

唐の歴史家呉兢(ごきょう)編纂の 『貞観政要(じょうがんせいよう)』は、 太宗李世民(598-649)と臣下たちの問答で、 全10巻40篇で、問答数は約280条。 私が読むのは、その内のごく一部、47条の抄訳。 太宗李世民は、 王羲之の書を愛して蒐集した人、と…

変遷

角川ソフィア文庫の『近松門左衛門』をやっと読み終えた。 作中、何かのために死ぬ人が多いが、それは社会問題になって、禁じられたりして、現在がある。 唐突で荒唐無稽な印象も多々受けたが、当て込みを知ったり、私の「常識」から外れてたりして、展開や…

近松門左衛門

角川ソフィア文庫の『近松門左衛門』に収められているのは、 次の作品の名場面らしい。 「出世景清」 「曽根崎心中」 「用明天皇職人鑑(かがみ)」 「けいせい反魂香(はんごんこう)」 「国姓爺合戦(こくせんやかっせん)」 読み始めて、最初の「出世景清…

元禄2(1689)07.12:市振

『おくのほそ道』の「今日は親知らず・子知らず・犬戻り・駒返しなどといふ北国一の難所を越えて」で始まる文章の一句。 一つ家に遊女も寝たり萩と月 澄んだ月明かりのようで好きだ。 03.27の深川出発から、3か月と15日程。 昔、電車で親知らず・子知らずを…

おくのほそ道

3月27日(陽暦5月17日)深川を出発して、 今さっき5月5日に仙台に入ったところを読んだ。 平泉もまだ。 大垣に着くのは、9月6日(陽暦10月18日)頃のようなので、 まだまだ先は長い。 芭蕉の歩いた道を、その後そのまま辿って歩いた人っている…

百人一首

「目には見えない」思いを、「具体的な映像として、我々に示」(80)すのが歌、といった解説が、繰り返し何度か出てくる。 100首を続けて読むのは、思っていたより大変だった。やっと93首目。 100首選んだ定家やそれを書写した人、親しんできた人たちすべてに…

とりかへばや物語

今、巻三を読み始めたところ。 男として生きる女君と、女として生きる男君。 女君は妊娠。 相手の男が用意した網代車に乗って、身を隠すことになった。 檳榔毛(びろうげ)の車と網代車(あじろぐるま)の挿絵があって、わかりやすかった。 「足摺り」の挿絵…

うつほ物語

琴の名手が登場する。舞も見てみたい。 清原俊蔭が持ち帰った様々な琴の音も聞いてみたいし、彼の娘や孫にあたる仲忠のうつほ(ほら穴)での練習三昧の暮らしにも憧れる。 風や雨の音、鳥の囀りや移動、蝶の舞う姿に惹かれる。 渡り鳥のように休まずみんなで…

紫式部日記

『紫式部日記』の一部いくつかを読んだ。 中高校生の頃、文学史で、いろいろな作品や作者名を覚えたが、覚えただけで読んでいないのが、虚しかった。 読むと、こんな内容だったか、とわかることもある。 『紫式部日記』も読めてよかった。 次は、『うつほ物…

和泉式部日記16

和泉式部の歌に、敦道親王返歌5首。 初句が同じでも違うから、いろいろな人が読むのを聞くのは楽しい。 けれど、会えずに歌のやりとりばかりでも、辛かろうと思う。 秋のうちは朽ちはてぬべし ことわりの時雨にたれか袖はからまし ー 秋のうちは朽ちけるも…

和泉式部日記11

敦道親王が、和泉式部宅を訪れ、彼女がいるところまで、前栽のなかを歩きながら口ずさむ歌、 わが思う人は草葉の露なれやかくれば袖のまづそばつらむ 露の意味が、はかなさや絶望のようなものから少し離れていて、惹かれた。 露が掛かると袖が濡れることと、…

蜻蛉日記144

春雨煙る旧暦二月の朝、 夫・兼家が妻・道綱母の家から出ていく時の描写。 出衣(いだしぎぬ)にしたり、 朝ごはんはいつも食べないからいらないよ、 と言ったりするのが、 今とあまり変わらないような気がする。 更級日記、土佐日記、蜻蛉日記などを読むと…

蜻蛉日記

『蜻蛉日記』の上巻の一部を読んだ。 初め、読んでいて辛い内容が続いた。 しかし、途中、 特別で、愛おしい時間もあった。 1000年以上も前の日記である。 今とは異なったり似ていたりする貴族の生活ぶりに触れる。 双六も庭の草花も楽しそう。 彼らの振る舞…

漢詩の唱和

『唐詩選』を読みながら、 漢詩の唱和に少し興味を持った。 けれど、相変わらず、 中国語もできないし、平仄もわからないので、 どうお互いの歌に合わせているのか、 がさっぱりわからない。 和韻を用いて唱和する漢詩というのもあるらしい。 KJ00004509852.…

清々しさ

『唐詩選』を読みながら、 清々しさのある詩に魅力を感じる。 清涼感や透明感、 木や風や水、 光やこもれびやきらめき、 ざわめきや囀りやせせらぎ。 一瞬別の世界に、 いる気がする。 そういう気分を、 ずっとなくさないでいたい。 但し、 そういった「幽玄…

唐詩選

清朝(1616-1912)中期に生まれた『唐詩三百首』から、 深澤一幸さんの解説や口語訳とともに、 51首を読む予定。 唐王朝は、618-907。 日本の飛鳥・奈良から平安中期ごろにあたる。 中国語の音もわからない私には、 近体詩のルールも難しい。 平声(ひょうしょ…

楚辞

『詩経』の次は、『楚辞』。 『楚辞』として伝わる後漢・王逸の『楚辞章句』は、 前漢末の劉向が編集した『楚辞』16巻に、 王逸自身の作品「九思」を加えて17巻としたもの。 『楚辞』17巻の中で、 最も古い歌謡は「離騒」「九歌」「天問」。 その中でも、 短…

詩経:王朝の始祖

大雅(たいが)・生民之什(せいみんのじゅう)・生民 后稷(こうしょく)は、周王朝の始祖で、母は姜嫄(きょうげん)。 周は、中国の最も古い王朝(夏・殷・周)の一つ。 姜嫄は、天帝(巨人)の足跡を踏んで、子を宿し、 不吉だったので、生まれた后稷を…

詩経

『詩経』のいくつかを読み始めた。 なぜかドキドキしている。 繰り返しや呪術的な意味、解釈の変遷などに触れることが楽しい。 桃もただ美味しいだけじゃない。邪気を払う神木。 静→靖、愛→曖など、仮借を踏まえた理解も興味深い。 解説は牧角悦子さん。 現…