近代

こころ

夏目漱石の『こころ』を上・中・下の中まで読んだ。 人間は未熟で軽薄な生き物だと言ってしまうことすら未熟で軽薄だと感じる。 中での、父と先生の重ね方や遅延から生まれる緊迫感から、漱石はうまいのだと改めて感じた。

夜明け前

藤村の『夜明け前』のダイジェス版を読み始めた。 なんでも読んでみるもの、経験してみるもので、 思っていたより読み応えがあって、自分の浅はかさが恥ずかしい。 当時は、こんな社会だったんだということが知れて、 街道の行き来から、多くのことがわかる。…

婦系図

泉鏡花を読んだのは初めてだったと思う。 小説は、描写に意外性があると面白く思える。 物・事、名詞をどう形容するのか、世界をどう見ているのかは、 人によって違っていて、 その世界が言葉で立ち現れてくると楽しい。

鷗外の「舞姫」

角川文庫のビギナーズ・クラシックス近代文学編の1冊、 『鷗外の「舞姫」』を読んだ。 在庫もなく、再版予定もないようなので、アマゾンで中古を購入した。 官僚制や国家、組織の縛り、「和を以て貴しと為す」感じの日本像は、今もある。 豊太郎は、苦しん…