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矛盾

矛盾は、

どんな盾(たて)も突き通す矛(ほこ)があるよ、

どんな矛も防ぐことができる盾もあるよ、

と言いながら商売する男の話から出た故事成語

論理の辻褄があっていないことをいう。

韓非子』の難勢篇(慎到が主張する「勢い」についての考察)にある有名なたとえ話。

 

このお話、君主の賢明さと権勢は相容れないことを述べるための前置きらしい。

賢明さは、どんな力にも抗することができるもので、

権勢は、どんなものも抑え込むことができるもの。

だが、

どんなものも抑え込めるのものがあるなら、賢明さはなく、

どんな力にも抗していけるものがあるなら、権勢はない。

 

儒家は、賢明さと権勢をあわせもった君主を待望するが、そんな君主は滅多に現れないし、無理なのだ。

儒家が唱えるような理想的な聖人君子による政治など待っていたら、飢え死にしてしまう。

法によって権勢を維持することは、特に立派でなくても、今すぐにでもできる。

国を治めるのに必要なのは、賢明さではなく、権勢だ、というのが韓非の考え。