和泉式部日記11

敦道親王が、和泉式部宅を訪れ、彼女がいるところまで、前栽のなかを歩きながら口ずさむ歌、

 

わが思う人は草葉の露なれやかくれば袖のまづそばつらむ

 

露の意味が、はかなさや絶望のようなものから少し離れていて、惹かれた。

露が掛かると袖が濡れることと、思いを懸けると涙で袖が濡れることがかけてある。

 

3つ目の勅撰和歌集で平安末に成立したらしい『拾遺和歌集』の12巻、恋2、読み人知らずの歌のよう。