森鷗外

新潮文庫で、森鷗外の「杯」「普請中」「カズイスチカ」を読んで、今は「妄想」の途中で小休止。

「百物語」「興津弥五右衛門の遺書」「護持院原の敵討」「山椒大夫」「二人の友」「最後の一句」「高瀬舟」「高瀬舟縁起」も収録されている。

 

作品名の「カズイスチカ」は、ラテン語で、患者についての臨床記録、の意らしい。

 

目前には広々と海が横たわっている。

そんな一文で始まる「妄想」の中には、「しかしその西洋人の見解が尤もだと承服することは出来ない」とあったり、明治の改革論や元の木阿弥論などが出ていて、今と大して変わり無い社会状況のようで、感慨深いものがある。