集英社

2024

『源氏物語』を読み始めてから、随分時間が経ってしまった。 今は、54帖あるうちの20帖「朝顔」まで読み進んだところ。 途中、本を新潮社の『新潮日本古典集成』に変えてここまで来た。やっと人物が自分の頭の中でも生き出し、プルーストの『失われた〜』を…

暗い森から天国までの旅

集英社文庫ヘリテージシリーズの寿岳文章氏訳・ダンテ『神曲 天国篇』(2003年1版、2014年9版)をやっと読み終えた。 『地獄篇』や『煉獄篇』より読みやすく、楽しいところかと思っていたが、苦戦した。 神学問答のようなものが、特に?となり、何度か読み返…

ダンテ神曲地獄篇

集英社文庫ヘリテージシリーズの寿岳文章氏訳・ダンテ『神曲 地獄篇』(2003年1版、2013年15版)をやっと読み終えた。 イタリアの歴史も、ギリシャ神話も、ダンテもブレイクも聖書も何も知らずに読み始めただけに、思いのほか時間がかかった。 みんないろい…

よさ

伊藤博『萬葉集釋注九』(2005第1刷、2012第2刷)もなんとかやっと読み終えることができた。 『万葉集』の巻第十七・巻第十八にあたり、歌番号は3890〜4138で、249首。 相変わらず、読み終わると呆然としてしまうので、少し振り返りメモする。 布勢の水海は…

物語

伊藤博『萬葉集釋注八』(2005第1刷、2012第2刷)をやっと読み終えた。 歌番号は3578〜3889で、312首。 歌が物語るようにして並んでいる。 竹取物語や伊勢物語、土佐日記以前の語りを読むようで面白かった。 がしかし、後半になるにつれ、説明における参照事…

茫然

『萬葉集釋注七』(2005第1刷、2012第2刷)を一週間かかってやっと読み終えた。 『万葉集』の巻第十三・巻第十四、歌番号で言うと3221〜3577の357首についての注釈。 毎回読み終わると、茫然として、何だったっけ?何を読んでいたんだっけ?となる。 「駒」…

こんなに違うもの

伊藤博『萬葉集釋注六』(2005第1刷、2011第2刷)を何とか読み終え、『萬葉集釋注七』(2005第1刷、2012第2刷)を読み始めた。 毎回思うのだけれど、今回は、特に、その収録和歌の種類の違いのようなものに驚いている。 『釋注六』は萬葉集の巻第十一と巻第…

味わい

伊藤博『萬葉集釋注五』(2005第1刷、2011第2刷)をやっと読み終えた。 『万葉集』の巻第九・巻第十を収録している。歌番号だと1664〜2350で、687首。 注釈書なので、主観が入るのだろうが、男性である伊藤博氏の解説が、男性目線でのものであるようで、嫌な…

疫病と政治の混乱

伊藤博『萬葉集釋注三』(2005第1刷、2011第2刷)を読み終えた。 『万葉集』巻第六の最後21首(歌番号1047〜1067)は、田辺福麻呂(たなべのさきまろ)の歌。 恭仁京や難波の宮への遷都に合わせて、新都を讃めたり旧都の荒みを哀しんだりする歌を読んでいる…

令和

伊藤博『萬葉集釋注三』(2005第1刷、2011第2刷)を読み始めた。 『万葉集』巻第五の冒頭は、大伴旅人の歌 世の中は 空しきものと 知る時し いよいよますます 悲しかりけり(793) 憶良や旅人らの漢詩文にも圧倒されながら、梅花の歌32首(歌番号815〜846)…

この世にある間は楽しく(349)

伊藤博『萬葉集釋注二』(2005第1刷、2011第2刷)を後半駆け足で読み終えた。 短時間に連続して恋歌とかを読み続けると、心というより頭が狂いそうになる。 『万葉集』の巻第三と巻第四の歌235〜792を読んだということになる。 改めて計算してみると、792-23…

萬葉集

集英社ヘリテージシリーズの一つ、伊藤博『萬葉集釋注一』(2005第1刷、2010第2刷)をやっと読み終えた。全部で10冊あるので、ペースを上げていきたい。1冊に萬葉集2巻ずつの収録。 一つずつの歌を一つずつばらばらに読むのではなく、前後の歌の関連も踏まえ…

再度

再度、マルセル・プルーストの『完訳版 失われた時を求めて1 第一篇 スワン家の方へⅠ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2006.3第1刷)を読んだ後、 ナボコフの『ヨーロッパ文学談義』(野島秀勝訳、TBSブリタニカ、1992.10初版)の「マルセル…

かけがえのない時間

『完訳版 失われた時を求めて13 第七篇 見出された時Ⅱ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2010第2刷)の本編とエッセイ・あとがきを読み終えた。 残す索引もざっと目を通してみるつもりでいる。 今回は入院・開腹手術・退院・自宅療養を経てい…

時間の外に立つ

『完訳版 失われた時を求めて12 第七篇 見出された時』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第3刷)の本編終わりあたり、芸術に関する記述のあたりを読んでいる。 そこで語り手が語ることは難しく、私には全てを理解できてない、そのほんの一…

アルベルチーヌ

『完訳版 失われた時を求めて11 第六篇 逃げ去る女』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第3刷)を読み終えた。 けれど、いつも以上に内容が頭に入らずすり抜けていってしまう感じがした。 冒頭、アルベルチーヌが去っていったところから始…

出会って別れる

『完訳版 失われた時を求めて10 第五篇 囚われの女Ⅱ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第3刷)の本編を読み終えた。 表紙はキース・ヴァン・ドンゲン「アルベルチーヌとアンドレ」で、その表紙からはアルベールチーヌもアンドレもゴモラ…

外を歩く

『完訳版 失われた時を求めて9 第五篇 囚われの女Ⅰ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第2刷)を読んでいる。 読んでいると、物売りの呼び声の記述が思いがけなく出てきた。 懐かしい感じ。 長編小説を描いても、誰かが言っていた、プルー…

自分の目で見る

『完訳版 失われた時を求めて8 第四篇 ソドムとゴモラⅡ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2010第2刷)も読み終えた。 美術や音楽や演劇・文学、植物や自然、服飾やサロン、貴族やブルジョワなど、プルーストはいろいろなものを実際に見ている…

人はそれぞれ違う。その時々でも違う。

『完訳版 失われた時を求めて7 第四篇 ソドムとゴモラⅠ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2011第2刷)も読み終えたけれど、今までとは違って、いい悪いではなく、まとまりがあまりない感じで、ばらけている感じがした。 p227でスワンが言った…

大切な時間

『完訳版 失われた時を求めて6 第三篇 ゲルマントの方Ⅱ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2006第1刷)も本編を読み終えた。 残す「注」や「情景の索引」は、本編を読みながらは面倒なので、いつも後からまとめて読んでいる。 サロンでの話は、…

したかったこと

今日は雨が降りそうな曇り。 『完訳版 失われた時を求めて5 第三篇 ゲルマントの方Ⅰ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2011第2刷)もあともう少しで読み終える。 気になっていたこと(語り手が以前に会っていたラシェルとサン・ルーの愛人ラシ…

言葉にする

『完訳版 失われた時を求めて4 第二篇 花咲く乙女たちのかげにⅡ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2013第2刷)をもう少しで読み終える。 よくここまで言葉にできるものだと感心する。 いまだに読んでいると集中力が切れて他ごとを考え、場所や…

『完訳版 失われた時を求めて3 第二篇 花咲く乙女たちのかげにⅠ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2013第2刷)をやっと読み終えた。 13冊もあるのでこのペースで読んでいたら、なかなか読み終えられない。 ペースを上げたい。 恋は楽しい時も…

スワンの恋

『完訳版 失われた時を求めて2 第一篇 スワン家の方へⅡ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2010第2刷)の「第二部 スワンの恋」を読んでいる。 思いを募らせたり、想いが冷めてしまったり、嫉妬が滑稽だったり痛ましかったり、恋は大変。 「ス…

萬葉集

集英社文庫ヘリテージシリーズの『萬葉集 釋注一』(伊藤博、2010第2刷)を読み始めた。 全20巻の『万葉集』の巻第一・巻第二を所収しているらしい。 歌一つ一つを独立した形で一つ一つ味わうのではなく、「前後の歌とともに味わうこと」を意識した編集にな…

失われた時を求めて

マルセル・プルーストの『完訳版 失われた時を求めて1 第一篇 スワン家の方へⅠ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2006.3第1刷)を読んだ後、 ナボコフの『ヨーロッパ文学談義』(野島秀勝訳、TBSブリタニカ、1992.10初版)の「マルセル・プル…

休日

4時過ぎに目覚め。暗い。 再び目覚め。明るい。おはよう。 ご飯を炊き、カレー作る。 写経。Duolingoでロシア語とフランス語。 暖かいから、灯油買うのをやめて、灯油缶片付け。 外出の機会を失う。きっとまた寒い思いをする。 集英社ヘリテージシリーズの…