方丈記の冒頭に「これをまことかと尋ぬれば」という言葉がある。
「これが本当かと調べてみると」昔のままの家はまれで、川の流れも、人も、住まいも、自然も人事も全て無常である。そしてそれがどこから来てどこへいくのか、何故なのか、知らない、と長明は言う。
見えているものが本当にそうなのかという気持ちで世界を見つめた鴨長明は素敵だ。
彼は今から800年くらい前に生きた人。
陸と海と空と人、宇宙と生命はつながっている。
変わらないように見えるけれど、あらゆるものが変化している。
変化するということはつながっているということだ。
科学は、それは本当なのか、どこから来てどこへ行くのか、その理由や原因は何かを追究する。
宗教も、存在や変化についての理由や原因を用意している。
本当のことを知るには時間がかかる。
安易な説明や理由探しに右往左往せず、堂々とわからないまま進みたい。