かぐや姫と舞姫
平安時代前期、10世紀半ばまでには成立したとされる『竹取物語』のかぐや姫は、
多くの男や帝の求婚を断って、心残りを残しながらも、天の羽衣を着せられ、地上の物思いを失くして月へ帰って行く。
内心不安を募らせる中、豊太郎の帰国と相沢への口約束を知って正気を失い、
豊太郎は人知らぬ恨みを抱えながら帰国の途につく。
去って行くかぐや姫と豊太郎。
豊太郎は、
狂女となったエリスに謝ることもできない。やり直すこともできない。
残された帝とエリス。
かぐや姫に二度と会えないとなった今、
帝は、永遠に生きても意味がないと、不死の薬を焼いてしまう。
舞姫とかぐや姫は随分違う話のようだが、物語の構造は案外似ているような気もした。
少しパーツを変えることで、様々な物語が生み出されていくものだ。