背筋

「本を背筋で読まないなら、まったくの徒労だ」と、ナボコフは『ヨーロッパ文学講義』のディケンズの章の出だしで言う。

「本を読むとき精神を使うのは言うまでもないが、芸術の喜びが生まれる場所は、肩甲骨のあいだにある」とも。

肩甲骨はバイオリンを弾く時にも大事なので、なんだか納得してしまう。

帰り道、まっすぐ立つ樹木に感心する。