フロベール

1846年〜1854年まで付き合いのあったルイーズ・コレに、フロベールが送った「ボヴァリー夫人」創作に関する手紙が興味深い。

ナボコフ『ヨーロッパ文学講義』(TBSブリタニカ)の中には、

「同じ会話のなかに、五、六人の人間(会話している人物)、ほかの何人かの人間(噂になっている人物)、土地柄、人物や事物の描写を同時に配置しなければならない」(p194)、

「ぼくの小説で困ることは、いわゆる楽しみの要素が欠けていることです。ほとんど事件というものがない。しかし、イメージこそ事件なんだというのが、ぼくの主張です。この方法で小説の興味を持続するほうがむずかしい、失敗するとすれば、それは文体が拙いからです」(p200)

などが挙げられていた。

小説を書くのは難しそうだ。