カメラ・オブスクーラ

貝澤哉訳・ナボコフの『カメラ・オブスクーラ』をやっと読み終えた。ナボコフがロシア語で書いた初期(1932-33)の作品のようだ。

盲目ぶり・間抜けぶりを笑い物にされたまま死んでしまった主人公のありようには身につまされるものがあった。

「見る・見られる」は評価が介入するし、「見えない」は無能ぶりを露呈するので、強引で性急な整合性を駆使して世界を理解しようともするけれど、心は満たされない。

心動かされる素敵なものにより多く出会いたい。

もっと五感を使って、既知に縛られることなく、自然を素直に感じ驚くことができる瞬間を増やしていきたい。