偉業

ナボコフの『偉業』を読み終えた。

読書をしていても、他ごとを考えていることが多くで、何行か飛ばしているような読み方しかできないが、ひとまず読み終えた。

ベルリンのウンター・デン・リンデンUnter den Lindenなどの地名が出てくると、鴎外の『舞姫』との相違を考えてしまう。

 

年表を見ると、ナボコフのベルリン移住が1919年で、ナボコフ20歳。

鴎外がベルリンにいたのは、1887-1888年のようなので、30年ほどの開きがある。

ベルリンを訪れたことはないので、一度行ってみたい。

 

文庫版のp343に「そこでマルティンは、筒状に巻いた地図をさっと取り出した。その地図はもうそらで覚えていて、気晴らしに何も見ないでそれを紙に描いてみせたことも一度や二度ではなかった」とあった。

地図をそらで覚えることができる時間の使い方に、読みながらはっとした。