味わい

 伊藤博萬葉集釋注五』(2005第1刷、2011第2刷)をやっと読み終えた。 

 『万葉集』の巻第九・巻第十を収録している。歌番号だと1664〜2350で、687首。

 注釈書なので、主観が入るのだろうが、男性である伊藤博氏の解説が、男性目線でのものであるようで、嫌な気がすることが何度かあった。がその感じ方も主観でしかないので、なんだかな、っといった感じ。当時の人たちはどんな感じで歌っていたのだろうかと思う。

 しかし、それにしても、『万葉集』の歌全てを味わい、現代語訳し、注釈をつけるというその仕事に驚嘆する。歌と歌のつながりや関連性を云々されるので、複雑すぎてついていくことができなくなってしまう時もあったが、読みの多面性を見せてもらっている気もする。

 時々引用される土屋文明の『万葉集私注』が概して辛口なのも多く、面白かった。

 

 ここまで『万葉集』初心者ながら、現代語訳と解説付きで『万葉集』の半分くらいを読んできた。恋の歌や季節の歌には固定された感じ方のようなものもあって、七夕歌もすごく多くて、少しうんざりさせられるようなこともあったけれど、改めて、「人生の味わい」のようなものについてなんとなく、心が及ぶ機会にもなっているのかもしれないと思う。

 なかなか読み進められないけれど、味わうことを忘れずに、残り5冊も読み進めていきたい。

 今日はなんとなくのんびり過ごしている。