よさ
伊藤博『萬葉集釋注九』(2005第1刷、2012第2刷)もなんとかやっと読み終えることができた。
『万葉集』の巻第十七・巻第十八にあたり、歌番号は3890〜4138で、249首。
相変わらず、読み終わると呆然としてしまうので、少し振り返りメモする。
布勢の水海はじめ越中国府の風物は、今と比べた土地の変化も想像したりして面白かった。
家持(718-785)が病気の時や贈り物を間違えた時の池主( -757)との漢文・長短歌による、時には行き過ぎた?際どい?冗談のようなやりとりは、旅人や憶良のやりとりとはまた違って、面白かった。伊藤博氏による釈文も、歌の評価を即断せず、いろいろな面から評価し得る可能性を探っていて、すごいなと思う。
田辺福麻呂の再登場など、巻一から読んできて、懐かしいと思えることもあってよかった。
風は冷たくなってきたけれど、今日もいい天気で空は真っ青。地面では落ち葉も舞っている。
秋がきて次は冬。
いろいろなことがうまく行くわけではないけれど、それも当たり前。