モスクワ 4日目
チェックアウトを済ませ、ホテルに荷物を預け、アルバート通りやサドーヴァヤ環状道路、大ニキーツカヤ通りを歩いた。
日本でも見かけるフランスのチェーン・パン屋さんPAULを見つけたり、
スーツを着た警備のお兄さんが、ロッテホテルに入る車の下に鏡を入れて、車のセキュリティーチェックをしているのを見かけた。
大ニキーツカヤ通りにある、
いまは改修中で使われていないブラジル大使館の外観デザインが可愛い。
A.V.ロパティナという人が住んだ家で、建築家はアレクサンドル・カミンスキーАлександр Степанович Каминский(1829-1897)という人らしい。
ロシア駐在ブラジル大使館のWebサイトにある建物についての説明と写真
http://moscou.itamaraty.gov.br/ru/rrrrrr_rrrrrrrrrr___.xml
ボリショイ劇場やマールイ劇場、ツム百貨店の辺りも歩いてみた。
8本の柱がきれいになっている。
広場の前の木の枝々に雀ではない小鳥がたくさん止まっていた。地面にいるより日当たりが良くて心地いいのだろうか。
ホテルに戻る途中で、ロシア連邦議会の下院である国家院(ドゥーマ)の前も、再度通り過ぎた。
ホテルからベラルーシ駅へ向かう途中、駅の地下でギターを弾いている男の人を見かけた。
前回の旅行で使い切れなかった1ルーブルより細かい小銭が残っていたので入れた。
チャリンチャリンと高くて軽い音がした。ありがとうと言われた。
とてもとても恥ずかしかった。1ルーブルは約2円だ。
自分に要らないものを人に捨てた感じがして非常に恥ずかしかった。
人にものをあげる時は、自分が大切だと思うものをあげたい。
思い出すと申し訳なさすぎて、泣けてくる。
自分の考えのなさや小ささ、卑しさを即刻、直ちに直したい。
急行列車アエロエクスプレス
ベラルーシ駅からシェレメチェボ空港に移動した。
車内CMは、乗車券はネット購入がお得という。ネットは420ルーブル(840円ほど)、券売機は500ルーブル。
自由席で、乗車時に改札はない。空港に着いて、ホームを出る時に、乗車券のバーコードをかざして出る。
その後、セキュリティーチェック。そしてターミナルDまで歩く。結構長い距離。
空港で軽食でもと思ってお店に入ると、市内の値段の倍ほどもする。
ルーブルがなくてドルを両替した。
入国審査、セキュリティチェック後にユーロが使えるお店あり。
次回はドルではなくユーロを用意しようと思う。
コーヒーが飲みたくてうろうろしていると、カフェスタンドの男の子が「こんにちは」と声をかけてきた。ロシア語で少し話して、結局そこでコーヒーと水を買った。愛想のいい子だった。仕事でいろいろな言葉が必要だから、それぞれ少しずつ覚えてて、英語は一番使う、とラテを作り、お釣りを渡してくれながら話してくれた。
水は炭酸水でない水の方が美味しいとのこと。
確かに、モスクワで買った炭酸水は少し変な味がした。サンクトペテルブルクで買った炭酸水にはない味だった。
ただし、どちらもキャップを開けると激しく噴き出してくるので、注意が必要。
新アルバート通り
11年前にも、22年前にも行ったことのある、
新アルバート通りの本屋さんへ向かう。
通りは整理されて、アイスクリーム屋さんも路上ライブもなく、さっぱりしているが、見覚えのある風景。新聞を売るスタンドも残っていた。
本屋さんの1階では、女の子2人のトーク会も開催中。聴衆も若い女の子が多い。4冊目のシリーズ本が出た記念のようで、「川の向こう岸でПо ту сторону реки」の作家(共著)らしい。内容はファンタジーのよう。
По ту сторону реки series by Марина Козинаки
本屋さんの帰りに、子供の世界детский мирというおもちゃ屋さんの地下にあるスーパーに立ち寄る。
店内を見渡して外に出ると、外は猛吹雪。
それでもお腹が空いていたので、夕ご飯を食べに移動する。
ロシアの温かいスープや飲み物はとても熱い。
体にしみる。
そしてすぐ体がぽかぽかしてくる。
ボルシチもウハーもきのこのスープも、どれも美味しい。
モスクワ 3日目
今日は、ロシア国立図書館、トレチャコフ美術館(旧館)、アレクサンドロスキー公園を訪ねた。
図書館では、図書カードを作ってもらって入館した。
奥の建物で、登録カードに、名前、国籍、誕生日、最終学歴、職業、勤務先、住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号を記入して裏面にサイン。その後、その場でパスポートも見せて、写真撮影すると、程なく図書カードが渡される。
手前の建物に戻り、カードをかざして入館。コートを預け、手に持っていたガイド本や地図も預けて、再度、入館の確認。何かの用紙を渡され、帰る時その用紙はスタンプを押され回収された。
本を読んだり、借りたり、探したりする仕組みがわからない。開架していると思われる本をパラパラめくって、読書室をのぞいて帰って来た。
国際交流基金が関わっている源氏物語のロシア語訳もあった。ゴーリキーの書簡集がたくさん並んでいた。外国語を習得するのに、まとまった手紙を読むのは良い方法のような気がした。
わくわくしながらゆっくり本を読む時間を大切にしたい。
日本語、ロシア語、フランス語、英語の本を楽しみたい。
そのための時間を見つけて頑張りたい。
美術館では、カンディンスキーを見忘れて出てしまった。
大きな絵を、いくつもの部屋の柱と床を枠にして見るのは初めてだった。
公園を抜けて、ホテルへ戻る。
部屋にキーを忘れたことに気づいて、フロントでスペアキーをもらう。
部屋はまだ清掃前。部屋で休んでいると係りの人が来てくれたので、少しだけ掃除を頼んだ。トイレの使い方も確認のため聞いてみた。
やはりロシアのトイレでは、紙を水と一緒に流さない。隣のゴミ入れに捨てる。
モスクワの町
11年前に来た時より大きな町になった、というのがモスクワの第一印象。
路上に、露天の土産物屋さんやミニ店舗のパン屋さんや新聞・雑誌売り、花売りの人はおらず、全て建物の店舗内に収められていた。
赤の広場近く、町の中心(マネージ広場近くのトゥベルスカヤ通り沿い)には、大きなホテルや洋服ブランドの大型店が並び、以前あった本屋さんはなくなっていた。
一方、マネージ広場地下のショッピングセンターは、以前よりも人が多く、洋服も手に届きやすい感じになっている。一番地下にあるフードコートは庶民向け。
今回の旅行は、8:00ごろ朝食、11:00ごろ外出のペース。
今日も11:00ごろホテルを出て、ベラルースカヤ駅まで地下鉄で移動。そこから、赤の広場に向かって、トゥベルスカヤ通りを歩いた。
(門扉の奥がロシア教育・科学省)
赤の広場やグム百貨店、聖ワシリー聖堂を見て、モスクワ川とヴァダーオトゥヴォドゥニィ運河にかかるそれぞれの橋を越えて、トレチャコフ美術館の旧館を過ぎる。
(グム百貨店の天井越しに見える空。この時は青かった)
(聖ワシリー聖堂)
かなり吹雪いてきたが、遠くに見えるクルィムスキーの橋を目指して歩くことにする。
(ピョートル大帝の像)
トレチャコフ美術館の新館も過ぎ、橋も渡る。救世主キリスト聖堂も過ぎて、ホテル到着。16:00ごろだった。
特急サプサン号
今日は、特急サプサン号に乗って、モスクワへ移動した。
ホテルからサンクトペテルブルクのモスクワ駅までは、バス。
駅入り口のセキュリティーを通過しても、まだ発車まで2時間弱ある。
プラットホームの表示もまだなかった。
空いている席でしばし待ってから、車内で食べる軽いお昼を買いに動いた。
(座って待っていた場所の天井)
端数の小銭を出すと、お釣りが小銭で返ってきた。違っているんじゃないかと、端数の小銭を出したことを言うと、後から来たスタッフの人に激しく説明された。
結局、お釣りの額は間違っていなかった。きりのいい硬貨がなかったようだ。ちゃんと確認してから尋ねるべきだった。端数の小銭がさらに細かくなって返ってくることもある。疑心暗鬼だった。しばらく凹む。今も少し凹んでいる。
列車のホームが表示されたので、55ルーブル(110円ほど)の炭酸水を買って、45分前ごろにホームへ向かう。
日本のような改札はない。2度目のセキュリティーを過ぎた所で列車到着を待つ。ホームは寒い。パスポートや乗車券の確認は、車両に乗りこむ時に、乗務員が携帯端末で情報にアクセスして行う。
乗車券は2月の上旬ごろネットで購入して、紙に出力して持参したが、それが必要だったかどうかはわからない。パスポートは必要。
座席は2等車(普通またはエコノミー車)窓側で進行方向を向いていた。窓も広く、よく外の景色が見えたし、座席も広く、背もたれも十分あった。足を載せる場所も、簡易テーブルもあった。予約時の座席選びは図面を見ながら行った。しかし、座席が進行方向を向いているのか、どれが窓なのか、いまひとつ分からなかった。しかしそれでも、なんとかうまく選べていたようだった。
1か月以上前の予約ではまだ席が選べたが、当日の車内はほぼ満席。当日乗車券が窓口で買えるのかどうかはかなり疑問。
私はモスクワ駅のWebサイトから乗車券購入ページへ移動したが、次のようなページで予約もできるようだ。Sapsan Train
下の写真は、車窓から見た凍っている川あるいは湖。ネットで調べてみたのだけれど、名前がわからない。
途中ずっと続く葉を落とした木々の枝がとても細く透明で繊細に見えて、きれいだったのは驚きだった。エルミタージュ美術館で見た象牙の細かい細工を思い出した。
車内販売もあって、コーヒーは150ルーブル。
途中2つの駅(ボロゴエともう一つはトヴェリ?)に停車して、乗客があった。
モスクワの到着駅はレニングラード駅。
着いて、流れに従って出口を出て、少し歩いて、川の手前、下に降りる階段を降りると地下鉄コムソモーリスカヤ駅の入り口。
地上にある地下鉄の建物は出口しかないので、そこから中へは入れない。
モスクワの地下鉄の1回乗車券は、40ルーブルではなく55ルーブルで、ジェトンではなくカードだった。
(コムソモーリスカヤ駅、1号線のホーム)
料金も乗車券もホームの雰囲気も列車内の雰囲気も、サンクトペテルブルクとは違う。
上からも、ホームからも、電車が見える。
サンクトペテルブルクで利用していた地下鉄の駅は、列車が入って来た時にしか、ホームの壁の扉が開かないので、電車の外観も線路も見えない。
地下鉄車内では、両足のないアーミー服を着た男の人が、ボードに乗ってお金を募っていた。年配の女性が何人かお金を入れていた。今日は日曜なので、通勤ラッシュにあうことはなかった。降りる時、私の荷物が座席に引っかかって前に進めずにいたら、そばにいた男の人が手を貸してくれた。ありがたかった。
サンクトペテルブルク 5日目
10:45ごろホテルを出て、19:00ごろホテルに戻った。
まずトロリーバスに乗って、蜂起広場駅(モスクワ駅)へ。
バスに乗ると、車内にいる係の人が乗車券のない人には声をかける。
行きたい場所を言って、40ルーブル(80円程)乗車券を買った。
目的のバス停に着きそうになると、私の方を向いて「ここで降りるんだよ」と教えてくれた。
モスクワ駅の周辺を軽く見学して、
ネフスキー大通りを、エルミタージュ美術館の方へ戻る。
フォンタンカ運河にかかるアーチニコフの橋を越えて、すぐ左に折れ、運河沿いを歩く。
ワガノワバレエアカデミーのある建築家ロッシ通りを通って、
アレクサンドリンスキー劇場、オストロフスキー広場を見ながら、ネフスキー通りを地下道を通って越える。
サドーヴァヤ通りに入って、ネヴァ川へ向かう。
ミハイロフスキー庭園やマルス広場を左手に見ながら、
(マルス広場で目を引いた植物。名前はわからない)
トロイツキー橋に出る。
大きすぎで、怖かった。立ち止まるのも怖い。
なぜこの橋は、重くて長くてこんなに大きいのに、倒れたり、落ちたり、壊れたりしないんだろうと思う。
(遠く向こうに見えるのがトロイツキー橋)
ロシアにはそういうことを感じさせる建造物が多い。
日露戦争で勝ったのが不思議だ。
ペトロパヴロフスク要塞はチケットを買わなくても、通り抜けられるようだが、
5つの建物への入場券600ルーブルを買った。
途中のトイレ利用は30ルーブル。
1703年〜1918年のサンクト・ペテルブルグの歴史を展示している司令官の家やペトロパヴロフスク要塞の歴史を展示しているネフスキーの壁では、歴史があって今があることの大切さを再認識させられた。
聖堂では、歴代の皇帝たちの棺がたくさん並んでいることに衝撃を受けた。
トゥルヴェツキー・ヴァスチオーン政治犯収容所の見学も沈んだ気持ちになった。
イワン5世のラブリン(半月堡)は、うっかり通り過ぎて行かなかった。
現在も稼働中の造幣局の横を通り過ぎて、
やっと要塞の外へ。
あとは、エルミタージュ美術館の方まで、
雪が降る、というより吹く中、橋を2つ越えて、写真を撮りながら、歩く。
地下鉄で再び、マヤコフスキー駅(蜂起広場駅、モスクワ駅)へ。
そして、再び、今度は、エルミタージュ美術館に向かってネフスキー大通りの右側を、お店を探しながら歩く。
見つけて店内へ。
シベリア風ペリメニ5つ(140ルーブル)とジャガイモとキノコのペリメニ5つ(130ルーブル)、クリーム(30ルーブル)はスメタナ、コーヒーはアメリカン(90ルーブル)を頼んだ。
ペリメニはスープに浮かんでくるものと思っていたが、違っていた。
でも美味しかった。食べに来てよかった。
帰りは再び歩いて帰る。
今日も歩いた。何回か同じようなところを歩くと、地図なしでも歩けるようになるのがうれしい。違うものも見えてくる。
土曜日なので朝から家族連れが多かったし、夕方も人通りが多かった。
本屋さんも混んでいた。