2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

時間の外に立つ

『完訳版 失われた時を求めて12 第七篇 見出された時』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第3刷)の本編終わりあたり、芸術に関する記述のあたりを読んでいる。 そこで語り手が語ることは難しく、私には全てを理解できてない、そのほんの一…

アルベルチーヌ

『完訳版 失われた時を求めて11 第六篇 逃げ去る女』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第3刷)を読み終えた。 けれど、いつも以上に内容が頭に入らずすり抜けていってしまう感じがした。 冒頭、アルベルチーヌが去っていったところから始…

出会って別れる

『完訳版 失われた時を求めて10 第五篇 囚われの女Ⅱ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第3刷)の本編を読み終えた。 表紙はキース・ヴァン・ドンゲン「アルベルチーヌとアンドレ」で、その表紙からはアルベールチーヌもアンドレもゴモラ…

外を歩く

『完訳版 失われた時を求めて9 第五篇 囚われの女Ⅰ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2014第2刷)を読んでいる。 読んでいると、物売りの呼び声の記述が思いがけなく出てきた。 懐かしい感じ。 長編小説を描いても、誰かが言っていた、プルー…

自分の目で見る

『完訳版 失われた時を求めて8 第四篇 ソドムとゴモラⅡ』(鈴木道彦訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2010第2刷)も読み終えた。 美術や音楽や演劇・文学、植物や自然、服飾やサロン、貴族やブルジョワなど、プルーストはいろいろなものを実際に見ている…