唐詩選
清朝(1616-1912)中期に生まれた『唐詩三百首』から、
深澤一幸さんの解説や口語訳とともに、
51首を読む予定。
唐王朝は、618-907。
日本の飛鳥・奈良から平安中期ごろにあたる。
中国語の音もわからない私には、
近体詩のルールも難しい。
平声(ひょうしょう):低くて平らな調子
上声(じょうしょう):平声より高い調子
去声(きょしょう):低音から高音に上昇する調子
入声(にっしょう):短く詰まった語尾k/t/pなどを帯びる調子
上声・去声・入声は、仄声(そくしょう)。
平声には、上平声と下平声があり、
韻の種類は、106あるらしい。
51首、無事読めるだろうか。
平仄(ひょうそく)ほか、地名や人名、歴史、行政区、漢字の読みすら難しい。
読書疲れで、しばし休憩。
外は穏やかで、いい天気。
楚辞
『詩経』の次は、『楚辞』。
『楚辞』として伝わる後漢・王逸の『楚辞章句』は、
前漢末の劉向が編集した『楚辞』16巻に、
王逸自身の作品「九思」を加えて17巻としたもの。
『楚辞』17巻の中で、
最も古い歌謡は「離騒」「九歌」「天問」。
その中でも、
短編の集まりである「九歌」が、最も古いらしい。
角川文庫のソフィア文庫、ビギナーズ・クラシックスの中では、
神々を祀る「九歌」11篇のうち、
神を迎える最初の「東皇太一」と、神を見送る最後「礼魂」が紹介されていた。
また、魂の遍歴を語る長編の物語「離騒」についても、
最初の名乗りから、
天界への飛翔とそこでの遊行、
時間の経過、
そして最後の、さらなる天界への飛翔の突然の終焉まで、
少しずつ解説を交えながら紹介があった。
本を読む以外、神々の世界に触れることはほとんどないが、
読むと何かが溢れ出てくるようで、心がざわざわする。
時間や存在や思いやいろいろなこと、目に見えない森羅万象含め、すべてが、改めて不思議だ。
遊び
作文の船、管弦の船、和歌の船。
をぐらやま あらしのかぜの さむければ もみぢのにしき きぬひとぞなき
公任(966-1041)はどの舟にも乗れる人だったらしい。
羨ましい。
勅なればいともかしこしうぐひすの宿はと問はばいかが答へむ
村上天皇の返歌なし。
紀貫之(872-945)の娘作という鶯宿梅(おうしゅくばい)の歌。挑戦的でかっこいい。
去年今夜待清涼 秋思詩篇独断腸 恩賜御衣今在此 捧持毎日拝余香
(こぞのこよひはせいりやうにはべりき しうしのしへんひとりはらわたをたつ おんしのぎよいはいまここにあり ささげもちてひごとによこうをはいす)
村上天皇の父で60代天皇・醍醐天皇の頃、左遷先で詠んだという道真(845-903)の漢詩。
沁みる。
「秋思」という題で詠んだ断腸の思いを込めた詩も気になる。
最近、歌を詠んだりすることに憧れる。
のんびり心を遊ばせたい。
大鏡
『大鏡』は、平安時代(794-1185/1192)後期に成立した、紀伝体の歴史物語。
55代天皇・文徳(もんとく)天皇(827-858)即位(850)から、
68代天皇・後一条天皇(1008-1036)の万寿2年(1025)までのお話らしい。
世継や繁樹夫婦が出てくる序、
出家する花山天皇(968-1008)や兼家(929-990)・道兼(961-995)父子、晴明(921-1005)の登場する話、
眼病を患った三条天皇(976-1017)が娘・禎子内親王(1013-1094)の髪を撫でる話、
基経(836-891)と光孝天皇(830-887)即位の話、
左大臣時平(871-909)と右大臣道真(845-903)の確執やそれに関連して詠まれた詩歌、
まで読み進んだ。
『史記』同様、固有名や年代を何度も振り返らないと、人も区別できず、話も整理できず、記憶にも残らない。
干支もよく出てくる。
今年2017年は丁(ひのと)酉(とり)で、34番目の組み合わせ。
外は雨が降りそうな曇り空だけれど、西の空は明るい。
窓を開けているので、鳥の声が聞こえる。