ヨーロッパ文学講義
ナボコフの『ヨーロッパ文学講義』の日本語訳(TBSブリタニカ)を読み始めた。
ナボコフが残したメモやノートをまとめた編者のフレッドソン・バワーズFredson Bowersの仕事にも感心させられた。
編者の前置きに続いてあるジョン・アップダイクJohn Updikeの序文も面白く読めた。
以前読んだはずなのに、以前すぎたのか、忘れていることが多かった。
妻に書いた手紙以外の手紙もたくさんあるようなので、まとまった書簡集のようなものがあれば、読んでみたい。
「良き読者とは想像力と記憶力と辞書と、それからなんらかの芸術的センスをもった人のことであ」(p5下段)り、「一流の作家はこれら三つのものー物語の語り手、教師、魔法使いーを合わせ持っている」(p8下段)と語るナボコフ の「良き読者と良き作家」論も面白かった。
現在の出版社は、河出書房新社のよう。
チェルヌイシェフスキー
ナボコフの『賜物』第4章:チェルヌイシェフスキーの自伝を読み終えて、
第5章に入った。
2017年の3月にサンクトペテルブルクを訪れた時は、
ナボコフの生家やコンサートや観劇、ネフスキー大通りや運河沿いを歩くなどで精一杯で、すっかり、チェルヌイシェフスキーのことを忘れていた。
寒さの中、後戻りできず訪れたペトロパヴロフスク要塞の政治犯収容所に、チェルヌイシェフスキーがいたとのこと、改めて知った。
(ナボコフの先祖がこの要塞の司令官をしていたことも、後述の『ロシア文学講義』p128下段で、改めて知った)
収容所の見学は、
2階建の個室を見学ルートにしたがって、順次見てまわるだけだったが、
怖くって、恐る恐るだった。
その前に足を踏み入れた、
ペトロパヴロフスク要塞にある大聖堂でも、度肝を抜かれた。
それとは知らず中へ入ると、
歴代の皇帝たちの棺が床に、ただそのまま、埋められることもなく、
たくさん並べてあったからだ。
ペトロパヴロフスク要塞には、
他にも博物館のようなものがあり、
当たり前だけれど、
歴史が今と関わりを持ってそこにある、という感じがした。
造幣局もあった。
ナボコフの『賜物』を読み終えたら、