良寛

カフカ『変身』やジョイスの『ユリシーズ』に関する章段も読み、

ナボコフ『ヨーロッパ文学講義』を読了。

講義の中で取り上げられている作品をもう一度読んで、再び読みたい。

おとぎ話として、『変身』や『ユリシーズ』を楽しんだり、

創作の苦労や工夫について思いを馳せてみたい。

 

続いて読み始めたのが、角川ソフィア文庫の『良寛』。

和歌や俳句、漢詩に加え、松本市壽さんの解説などが載っている。

良寛の書も漢詩も嫌いじゃないし、手まりに関する歌は可笑しい。

維馨尼(いきょうに)や貞信尼(ていしんに)のことは知らなかった。

長歌や旋頭歌も味わいがある。

鉢の子(托鉢に使う容器)の歌もよかった。

 

枕詞は「掛かる語句に対して呪術的な意味を込めた名残りである」という。

呪術的な何かを感じられたらいいのになぁ、と思うがうまく行かない。

 

最後に紹介されている

七言律詩の一節「人間(じんかん)の是非看破に飽く(世の中の善悪を見抜こうとすることにも飽きてしまったよ)」や

俳句「うらを見せ おもてを見せて 散るもみぢ」にもハッとさせられた。