茫然

 『萬葉集釋注七』(2005第1刷、2012第2刷)を一週間かかってやっと読み終えた。

 『万葉集』の巻第十三・巻第十四、歌番号で言うと3221〜3577の357首についての注釈。

 毎回読み終わると、茫然として、何だったっけ?何を読んでいたんだっけ?となる。

 「駒」や「風」についての説明ほかいろいろ刺激になる説明があったはずなのだけれど、何も書き留めずにただただ読んでいるだけなので、ここにまとめられない。

 「駒」、馬には乗ったこともないので、馬が旅立つ人の思いをわかるかのように行き止まったり、馬の足に小石が挟まるとすごく痛かったり、といった説明は歌を読むときの世界を広げてくれる。

 「風」は、どこからともなく吹いてきてまたどこかへと吹いていく。海や川、木々を揺らしたり、いろいろなものに触れて、いろいろなものを運んでいく。

 1300年前の地名がいまだに残っているのも不思議といえば不思議。

 

 『萬葉集釋注』は残すところ、あと3冊。

 『神曲』『ユリシーズ』『源氏物語』と『新・旧訳聖書』も文学的な興味から読んでおきたい。