伝承

集英社文庫ヘリテージシリーズの寿岳文章氏訳・ダンテ『神曲 煉獄篇』(2003年1版、2011年9版)をやっと読み終えた。

神曲 地獄篇』にもまして脚註が多かったり、相変わらず、私自身が神話・聖書・歴史・地理等に疎いため、読むのは簡単ではなかった。

 

挿絵や表紙絵はブレイクのもので、『地獄篇』はおどろおどろしいものばかりだったけれど、『煉獄篇』はほっこりするものもあって、彩色ありの表紙の絵はなかなかにいい。

 

万葉集』を読みながらも感じたことだが、それ以前にも歌があり、伝承があり、人々の暮らしがあって、それが当たり前のことなのだけれど、すごいことだなぁと今回も感じた。

今は文字があり、携帯があり、様々な情報が瞬時に伝達されるのだけれど、それらがなくても、途轍もない昔から、実に多くのものが伝わり、人が行き来していることに驚いたりしながら読んだりもした。

昔の人の暮らしぶりや自然を、見に行けたらいいなぁと思う。