重ね合わせ
集英社ヘリテージシリーズのジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ Ⅱ』(訳:丸谷才一・永川玲二・高松雄一、2003/09/24第1版、2010/01/31第3版)をやっと読み終えた。
随分前に4冊を通読し終えたことがあるが、もはやどんなふうに読み終えたかも分からないほど、読み終えることが辛かった。
第二部「9 スキュレとカリュブディス」「10 さまよう岩岩」「11 セイレン」「12 キュクロプス」「13 ナウシカア」と章題を並べてもどんな話だったかすぐに思い出せない自分が悲しい。
「9 スキュレとカリュブディス」はハムレットやシェイクスピアとの重ね合わせのようなものが難しかった。
「10 さまよう岩岩」はいろいろな人が出てきてその把握や通りの名前や位置関係に追われた。いろいろな人を映しだすジョイスの視線・関心のようなものも感じた。
当然のことだが、私はこんなにたくさんの人やことを書ききれないし、訳した人たちの語彙力にも感心させられた。
「11 セイレン」は音楽や歴史、「12 キュクロプス」も歴史の重ね合わせのようなものが難しく、「13 ナウシカア」は比較的読みやすく思ったより猥褻ではない気もした。
あと二冊。頑張りたい。