暮らしぶり

チェーホフ小説選』(2004第1版第1刷、水声社)を読み終えた。

10-20代ごろに読んだはずの短編もあったが、すっかり忘れていたのでチェーホフ初読だった。

 

短編を読むと、チェーホフが生きて、見た時代の暮らしぶりが伝わってくる。

清潔さや暖かさ、水や電気、道路、通信ほか社会的インフラが整っていると思われる今の日本の暮らしぶりと比べれば全く違う暮らしぶりで、またあまり何も起きないので、読んでいると辛くなったり、息苦しくなったりする。

集中力もないので、こまめに休みを入れながら読んだ。

 

若い頃のように、名言を探したりしながら読むことはなくなったし、哲学的な問答はむしろ避けて通りたくなっていて、時々、何気ない自然描写にハッとさせられる読書体験になってきた。