巨匠とマルガリータ

中田恭訳のミハイル・ブルガーコフ巨匠とマルガリータ』の第1部を読み終え、2部を読書中。

 

奇想天外というか、よく思いついたなぁという感じで、ついていくのに途中休憩が必要。

 

ヒロインのマルガリータは結構な破壊をするし、悪魔の大舞踏会で女王役をやってのけるし、か弱いヒロインとは程遠い。

人は簡単に消えるし、移動するし、ピラトやイエスも出てくる。

 

ある程度読んだところで、1994に映像化されたものも見ている。

https://m.youtube.com/watch?v=JkLh-oosLEg

 

これにもよく映像化したなぁと感心させられる。

 

昔読んで途中で挫折した作品だが思っていたより面白い。でも?悪ふざけではないだろうけど…えぐい?かな。特に2部。

当時の社会状況やブルガーコフの人生がどんなふうにどの程度、この作品に影響しているのかにも興味がわく。

 

グリボエードフやプーシキン、『死せる魂』なんかが出てくると親近感もわく。

ブルガーコフは1891-1940の人。

 

オネーギン

小澤政雄訳のプーシキン『完訳 エヴゲーニイ・オネーギン』(群像社、1996初版)を読んだ。

思っていた以上に読みやすかった。

脚注も、当時の風俗なども説明して、ありがたかった。

 

勿論、全部を理解したわけではないけど。

詩論や歴史は難しかったので、また機会があれば、深めたい。

 

オデッサナボコフ、グリボーエドフが解説や詩に出てくると、親近感がわいた。

 

『本邦初訳 プーシキン詩集』(訳:青木明子/木村すな子/草鹿外吉/黒須仁子/藻利佳彦、青磁社、1990年4月初版第1刷)を読んでいる。

プーシキンは、1799-1837の人。

政治的なこと、戦争についてもよんでいる。

多分、友情も大切にした人。

今、プーシキンの詩をどう読めばいいのかよくわからないままに読み進めている。

経緯はあるようだけれど、頭蓋骨を友人に送る時の詩すらある。

 

日本の大政奉還が1867なので、プーシキンはそれより前の人。

今、プーシキンはロシアでどんな位置付けなんだろう。若い人は知っているのだろうか。

ウクライナポーランドではどうだろう。

 

戦いに勝とうが負けようが詩にする気にはならないのは、時代が違うから?

 

最近読んでたのは、

チェーホフ1860-1904、ナボコフ1899-1977、プルースト1871-1922、ジョイス1882-1941。

ピアノで練習してたワルツは、外交官グリボーエドフ1795-1829作曲のもの。

作家に限らずみんな政治とは無縁ではないのが、当たり前だけど苦しい。

プーシキンはグリボーエドフに会ったことがあるのだろうか。

暮らしぶり

チェーホフ小説選』(2004第1版第1刷、水声社)を読み終えた。

10-20代ごろに読んだはずの短編もあったが、すっかり忘れていたのでチェーホフ初読だった。

 

短編を読むと、チェーホフが生きて、見た時代の暮らしぶりが伝わってくる。

清潔さや暖かさ、水や電気、道路、通信ほか社会的インフラが整っていると思われる今の日本の暮らしぶりと比べれば全く違う暮らしぶりで、またあまり何も起きないので、読んでいると辛くなったり、息苦しくなったりする。

集中力もないので、こまめに休みを入れながら読んだ。

 

若い頃のように、名言を探したりしながら読むことはなくなったし、哲学的な問答はむしろ避けて通りたくなっていて、時々、何気ない自然描写にハッとさせられる読書体験になってきた。

チェーホフ

松下裕訳の『チェーホフ戯曲選』(2004第1版第1刷、水声社)をやっと読み終えた。

「ワーニャおじさん」はもっとのんきな昔話かと思っていたけれど、そうでもなかった。

 

読んでもすぐ話の筋を忘れてしまうので情けないが、収録されている戯曲は全部で14。

結婚申し込みや恋煩いや決闘や自殺や行き違いや地主や借金や没落や、

後から側から思えばどうにかなっただろうに…と思えるようなこと、悲劇のような喜劇、喜劇のような悲劇、生きてればあるだろうままならないようなことが書かれていた、ような気がする。

 

次は、松下裕訳の『チェーホフ小説選』(2004第1版第1刷、水声社)を読むことにする。

 

 

 

何者でなくても

松下裕訳の『チェーホフ戯曲選』(2004第1版第1刷、水声社)を読み始めた。

何者でなくても、どうということはない、大切なことはそんなことじゃない、そもそもみんな何者でもないし……と思える戯曲。

ちょうど先日、友達とそんな話をしたから、そう思うだけなのか。

ナボコフユリシーズよりは、読みやすい。

でも似た視点はあるのかな?

 

 

 

ナボコフの短編

68の短編が収録されている『ナボコフ全短篇』(2011.09.10初版第2刷発行、株式会社作品社)を、残りあと1編「ヴェイン姉妹」まで読み進めた。

 

読み始めてからここまで1か月程。長かった。

 

初期の頃、ロシア語で書いていた頃は、描写が綺麗だったり、独特だったり、細かかったりするものがあって、再度読み直す時のために、ロシア語デジタル版の方にマーカーをつけたりしながら読んでいた。

 

見せ物になっていた小人や双生児が主人公になっている短編は、今の時代と違っていて、若干困惑のような感じも味わいながら読んだ。

 

やはり原文で音読もしながら再読してみたいと思う。